2006年5月29日 (月)

日本にはすごい開発者はほんの一握り

 中小企業のソフトウエア開発やシステム開発に携わる人で、すごく優れた人が、そもそもいるのかと聞かれますと、お答えしづらいのですが、正直ほとんどいません。

「すごい開発者」というのは研究室や超大手会社の自社システムを開発するために雇われていますから、他社のソフトをつくるといったことは行っていません。

しかも日本はすごい開発者が育ちにくい環境にあります。

 世界の「すごい」開発者の給与は、日本円でだいたい年収2000万円から3500万円くらいです。ゆえにこうした優秀な人たちにもし、社長の会社のシステムを作らせたら、とんでもない金額になってしまいます。

また日本の年功序列型の組織にも合わなくなってしまいます。課長は月給30万円で平社員の開発者が200万円というのは日本の社会ではまだまだ受け入れられません。

そういったこともあり日本の中小企業向けシステム開発に携わる人たちは「ソコソコ」の人が多いわけです。

たまに「底底」の人もいるので注意が必要ですが...。

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つくれないソフトもある

 いくらコンピュータが万能とは言っても作ることができないソフトも存在します。たとえば太平洋に何頭イルカがいるか?のように人間でも計算できないものはやはりコンピュータでもできません。また社会的にデータが明らかにできないような情報を必要とする物はやはりコンピュータといえど処理はできません。

 このへんはまぁ当たり前の世界なのですが、問題なのは発注者もどうしたらよいかわからなくなってしまっているソフトの開発です。「とにかく作ってくれ」というソフトです。「今こんな感じになってて、データもめちゃくちゃでわからなくなっちゃった。なんとかしてくれ!」というソフトです。こういうソフトになると僕のようなソフトウエアプロデューサーでもかなり難関です。

なぜならこういう社内でも破綻している仕組みを単純にソフト化すると、ソフトを開発する前よりもむしろ手間がかかってしまったり、計算が合っているかどうかさえ、誰もわからないようなブラックボックスソフトになったりします。

こういったソフトは、まず社内の業務ロジックから開発しなければなりません。コンピュータに頼るよりまず社内整備から始めなければなりません。手作業で社内の仕組みをつくりそれが正しく機能するか検証してから開発を行います。これはソフト開発能力とコンサルティング能力の双方に高いスキルが必要です。

コンピュータは人間がやっていることを便利にすることはできても、人間ができないことはやはりコンピュータもできないと考えてください。

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一番困る開発者の逃亡

 今から10年以上前に、社内のソフトを何度か外注さんに頼んだことがあります。うちもソフト会社なので、自社で開発しても良かったのですが当時は社員も少なく、余力がないので他社の力を借りることにしました。そしてソフト開発は成功したかというと実は...

完成しませんでした。何回もチャレンジしたのですが...。

 いつも最後には、連絡が取れなくなり逃亡です。むろん先に支払ったお金が返ってくることはありません。訴えても裁判費用が馬鹿らしいですし、ソフトが完成するわけでもありません。

 個人に頼んだこともありましたが、その時には「食えなくなったので就職します」。とあっさり。これまた支払い損です。安いからと頼んでいたらその会社が倒産ということもありました。

 自社のソフトだから良かったものの、こんなものを販売していたら大変なことになっていました。とにかくソフト開発で多いのがこの逃亡です。そして修正も不可能なものもたくさんあります。なぜならレベルが低い人が開発したソフトは、実は開発した人にしか分からないものが多いからです。

逃亡する理由は3つあります。ひとつは請け負ったものの自分には難しくて作れないという場合。ふたつめは、予想よりはるかに作成時間がかかり金銭的に作り続けれることは無理という場合。みっつめは、初めに書いた「デスパレードマーチ」になりそうな場合です。

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